憧鉄雑感
第73回 待ち時間対策今昔
安部 正敏
1
Masatoshi ABE
1
1医療法人社団廣仁会札幌皮膚科クリニック,褥瘡・創傷治癒研究所
pp.575-575
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000689
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診療の待ち時間対策はかなり進んだ感があるが,それでもゼロにすることは不可能である。待っていただいている間も,極力退屈させない工夫は様々であり,最近ではキッズスペースなどを完備する施設も多い。絵本に玩具,ミニ滑り台などで小児患者を惹きつければ,多少苦痛を伴う処置でも受け入れてくれるのかもしれぬ。大人はといえば,以前の定番は本であり,週刊誌や新聞がサービスされていた。筆者が大学勤務で外来医長を仰せつかっていた頃,待ち時間対策として大画面テレビを導入した。無論,大学当局からの予算などない独自の試みで,他科に皆無な対策であったが,上司の快諾もあり我が皮膚科だけの患者サービスとなった。存外好評であったが,恐ろしいことに患者同士でのチャンネル争いが勃発し,ワイドショー派と通販派が激しく対立する何ともレベルの低い戦いとなった。そのような光景も今は昔,現在の待合室は皆スマホを凝視する。
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