CT，FDG-PET所見から外陰部Paget病の皮下転移を疑ったSchloffer腫瘍の1例

Schloffer Tumor that had been Suspected for Subcutaneous Metastasis of Extramammary Paget’s Disease from Computed Tomography and FDG-PET Findings

61歳，男性。4年前に外陰部Paget病に対し，皮膚悪性腫瘍切除術，左鼠径・骨盤内リンパ節郭清術および術後放射線治療を行った。半年前のCTで下腹部皮下に軟部陰影が出現し，比較的急速に増大した。MRIでT1強調画像低信号・T2強調画像高信号，FDG-PETで集積があり，Paget病の皮下転移を疑い全摘した。病理組織学的には悪性所見はなく，線維化と異物型巨細胞を伴う炎症細胞浸潤がみられ，Schloffer腫瘍と診断した。Schloffer腫瘍は手術瘢痕部に生じる炎症性肉芽腫だが，臨床的に悪性腫瘍の再発・転移との鑑別に苦慮する場合がある。手術創部近傍に出現した腫瘤性病変において鑑別として考える必要があると思われた。