Japanese
English
症例報告
エルロチニブとラムシルマブの併用療法中に穿孔性皮膚症と紫斑,皮膚潰瘍を生じた1例
A case of perforating dermatosis, purpuras and skin ulcers occurred during the combination therapy of erlotinib and ramucirumab
森田 裕介
1
,
今福 恵輔
1
,
板本 想太
1
,
挽地 史織
1
,
眞井 翔子
1
,
宮澤 元
1
,
得地 景子
1
,
榊原 純
2
,
氏家 英之
1
Yusuke MORITA
1
,
Keisuke IMAFUKU
1
,
Sota ITAMOTO
1
,
Shiori HIKICHI
1
,
Shoko MAI
1
,
Hajime MIYAZAWA
1
,
Keiko TOKUCHI
1
,
Jun SAKAKIBARA
2
,
Hideyuki UJIIE
1
1北海道大学大学院医学研究院皮膚科学教室
2北海道大学大学院医学研究院呼吸器内科学教室
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine and Graduate School of Medicine, Hokkaido University, Sapporo, Japan
2Department of Respiratory Medicine, Faculty of Medicine, Hokkaido University, Sapporo, Japan
キーワード:
EGFR阻害薬
,
エルロチニブ
,
穿孔性皮膚症
,
反応性穿孔性膠原線維症
,
血管炎
Keyword:
EGFR阻害薬
,
エルロチニブ
,
穿孔性皮膚症
,
反応性穿孔性膠原線維症
,
血管炎
pp.119-124
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207201
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要約 64歳,女性.肺腺癌ステージⅣbと診断され,EGFR遺伝子変異陽性が確認されたため,EGFRチロシンキナーゼ阻害薬のエルロチニブとVEGFR2阻害薬のラムシルマブの併用療法が開始された.開始2か月後より皮疹が出現,増悪したため,当科を紹介され受診した.痂皮を伴う結節や紫斑を認め,これらの皮疹より皮膚生検を実施し,穿孔性皮膚症および血管炎の病理像を認めた.エルロチニブやラムシルマブの影響を疑い,これらを中止したが,紫斑の新生や下腿潰瘍の形成,拡大が数週間続いた.その後,抗潰瘍治療を実施したところ,潰瘍の改善,上皮化を認めた.EGFR阻害薬やVEGFR2阻害薬の投与例では,痤瘡様発疹などの頻度の高い皮膚症状とあわせて穿孔性皮膚症や紫斑,皮膚潰瘍が稀ではあるが生じうる可能性を考慮しておくのが望ましい.
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