Japanese
English
症例報告
紫斑を呈したヒトパルボウイルスB19感染症の成人例
An adult case of human parvovirus B19 infection with purpura
幸田 紀子
1
,
佐々木 一
1
,
萩原 正則
1
,
松尾 光馬
1
,
本田 まりこ
1
,
中川 秀己
2
Noriko KODA
1
,
Hajime SASAKI
1
,
Masanori HAGIWARA
1
,
Koma MATSUO
1
,
Mariko HONDA
1
,
Hidemi NAKAGAWA
2
1東京慈恵会医科大学附属青戸病院皮膚科
2東京慈恵会医科大学皮膚科学講座
1Department of Dermatology,The Jikei University School of Medicine,Aoto Hospital
2Department of Dermatology,The Jikei University School of Medicine
キーワード:
ヒトパルボウイルスB19(HPV-B19)
,
紫斑
,
伝染性紅斑
Keyword:
ヒトパルボウイルスB19(HPV-B19)
,
紫斑
,
伝染性紅斑
pp.237-240
発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100537
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34歳,女性.初診の4日前に発熱(38.1℃)と右腋窩,腹部,両鼠径部,左膝窩に紫斑が出現した.紫斑部の病理組織は,真皮浅層から中層の血管周囲にリンパ球を主体とする細胞浸潤と赤血球の血管外漏出,血管内皮細胞の膨化を認めたが壊死性血管炎像はなかった.リンパ球表面マーカーでCD4優位のリンパ球浸潤をみた.免疫グロブリンおよび補体の沈着はなかった.ヒトパルボウイルスB19に対する抗体価は,IgM高値,IgG低値であったが,その後IgGは上昇し,また血清中にHPV-B19DNAが検出されたことから,本例は感染初期に紫斑を生じたと考えられた.紫斑の発生機序として,HPV-B19の血管内皮細胞感染による直接的傷害,HPV-B19感染による血小板減少,荷重や摩擦による機械的刺激が考えられた.
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