特集 悪性上皮系腫瘍
黒色線条を伴った手指爪甲部Bowen病の1例
中井 康雄
1
,
欠田 成人
1
,
山中 恵一
1
,
磯田 憲一
1
,
西村 啓介
1
,
中西 元
2
,
水谷 仁
1
1三重大学医学部附属病院,皮膚科(主任:水谷仁教授)
2なかにし皮フ科クリニック,守山市
キーワード:
Bowen病
,
爪甲
,
色素線条
,
HPV56
Keyword:
Bowen病
,
爪甲
,
色素線条
,
HPV56
pp.1349-1352
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000145
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41歳,男性。1年前より左中指に色素線条を自覚し,自己処置を行うも改善せず,当科を受診した。初診時,左中指外側に幅5 mmの黒色色素線条を認めた。同部爪甲から側爪郭にかけて角化を伴う乳頭状病変を伴っていた。切除生検を行い,病理組織学的には表皮全層に核分裂像や個細胞角化を伴った異型ケラチノサイトの増生を認め,Bowen 病と診断した。表皮内,爪甲内にはメラニン顆粒の増加を伴っていた。Human papilloma virus(HPV)を検索したところHPV56が検出された。爪甲色素線条をみた場合にBowen病を考慮する必要があるとともに,悪性黒色腫との鑑別が問題となる。
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