症例
Nodular Hidradenoma に対してMohs ペースト外用が著効した1 例
小川 智広
1
,
風間 真理子
1
,
白井 暁子
1
,
菊池 荘太
1
,
太田 真由美
1
,
伊藤 寿啓
1
,
中川 秀己
2
1東京慈恵会医科大学附属第三病院,皮膚科(主任:伊藤寿啓診療部長)
2東京慈恵会医科大学附属病院,皮膚科,主任教授
キーワード:
nodular hidradenoma
,
Mohsペースト
,
皮膚良性腫瘍
,
切除困難
Keyword:
nodular hidradenoma
,
Mohsペースト
,
皮膚良性腫瘍
,
切除困難
pp.1887-1890
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000365
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93 歳,女性。既往に認知症がある。10 日前より右前頭部に腫瘤が出現したため当科を受診した。右前頭部に17×15 mm 大の紅褐色腫瘤を認めた。病理組織学的所見で真皮から皮下組織にかけて管腔構造,その周囲に小型円形のporoid cell が結節状に増殖し,nodular hidradenoma と診断した。約4 カ月間で徐々に増大し,32×20 mm 大となり,表面に潰瘍・痂皮を認め,滲出液を伴うようになった。再生検でも同様の診断であったが,高齢で認知症のため手術困難であった。滲出液のコントロール目的で2 週ごとにMohs ペーストを外用したところ,4 カ月で腫瘤が消失し,その後再発はなかった。Mohs ペースト外用が,手術困難な皮膚良性腫瘍の根治的治療となりうることが示された。
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