症例
後頭部に生じた悪性石灰化上皮腫の1 例
矢野 優美子
1
,
大森 康高
1
,
吉村 紫
1
,
太田 真由美
1
,
出月 健夫
1
,
五十嵐 敦之
1
1NTT 東日本関東病院,皮膚科(主任:五十嵐敦之部長)
キーワード:
pilomatrix carcinoma
,
pilomatricoma
,
悪性石灰化上皮腫
,
石灰化上皮腫
,
増殖性石灰化上皮腫
Keyword:
pilomatrix carcinoma
,
pilomatricoma
,
悪性石灰化上皮腫
,
石灰化上皮腫
,
増殖性石灰化上皮腫
pp.1883-1886
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000364
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52 歳,男性。後頭部硬結を主訴に当科を受診した。後頭部に3.5 cm 大,弾性硬,下床との可動性良好な皮下結節を認め切除術を施行した。病理組織所見で好塩基性に染まる腫瘍胞巣,陰影細胞を認め石灰化上皮腫と考えたが,切除1カ月後,創縁に皮下硬結を伴う紅色結節が出現した。生検で前回と同様の病理組織所見が得られ,石灰化上皮腫の再発と考え再度切除術を施行したところ,好塩基性の腫瘍胞巣は皮下組織まで浸潤性に増殖し,異型を伴うことから悪性石灰化上皮腫と診断した。悪性石灰化上皮腫は石灰化上皮腫,増殖性石灰化上皮腫との鑑別を要するが,本腫瘍は再発・転移の頻度が比較的高いとされているので慎重な診断・経過観察が大切である。
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