症例
男性副乳癌(粘液癌)の1 例
鈴木 英子
1
,
大島 昇
1
,
今門 純久
1
,
三浦 圭子
2
1日本赤十字社医療センター,皮膚科(主任:今門純久部長)
2東京医科歯科大学医学部附属病院,病理部
キーワード:
副乳癌
,
粘液癌
,
男性
,
副乳
,
腋窩
Keyword:
副乳癌
,
粘液癌
,
男性
,
副乳
,
腋窩
pp.1891-1895
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000366
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78 歳,男性。3 年前から増大傾向にある左前胸部の35 mm 大の腫瘤を主訴に受診した。病理組織は真皮全層に隔壁で区画された粘液様物質,内部に好塩基性の小胞巣が島状に浮き,脂肪組織にまで分け入るように浸潤し粘液癌と診断した。免疫染色でCK7,CK20 陽性。Estrogen receptor,progesteron receptor,gross cystic disease fluid protein‒15 いずれも強陽性であった。腫瘍近傍には,正常乳腺と比較して萎縮した乳腺様構造を認め副乳と考えた。男性副乳癌(粘液癌)として拡大切除した。センチネルリンパ節転移陽性で,腋窩リンパ節郭清を追加した。術後アナストロゾールを内服し,5 年経過するが再発はない。男性副乳癌で組織が粘液癌の報告はこれまで本邦ではなく,貴重な症例と考えられる。
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