Japanese
English
症例報告
脂漏性角化症様の変化を伴ったnodular hidradenomaの1例
A case of nodular hidradenoma with seborrheic keratosis-like changes
岡﨑 大二郎
1
,
松澤 高光
1
,
松岡 悠美
1
,
松江 弘之
1
Daijiro OKAZAKI
1
,
Takamitsu MATSUZAWA
1
,
Yuumi MATSUOKA
1
,
Hiroyuki MATSUE
1
1千葉大学大学院医学研究院皮膚科学
1Department of Dermatology, Graduate School of Medicine, Chiba University, Chiba, Japan
キーワード:
結節性汗腺腫
,
nodular hidradenoma
,
clear cell hidradenoma
,
脂漏性角化症
Keyword:
結節性汗腺腫
,
nodular hidradenoma
,
clear cell hidradenoma
,
脂漏性角化症
pp.707-712
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206767
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 71歳,女性.初診約10年前に,右上腹部に5mm大の褐色結節を自覚し,数年前から中央部が淡紅色調を呈するようになった.徐々に増大傾向あり当科を受診した.初診時,右上腹部に20×23mmのドーム状に隆起する,表面粗糙な骨様硬の紅色結節があり,その辺縁に角化を伴う褐色斑を認めた.紅色結節部では病理組織学的に真皮浅層から脂肪層浅層にかけてclear cell,polygonal cell,cuboidal cellなど多様な細胞からなる腫瘍胞巣が一部囊腫構造,管腔構造を呈し増生し,間質は高度の線維化を伴っていた.免疫染色にて腫瘍細胞はサイトケラチン(CAM5.2)陽性であった.結節辺縁では表皮は過角化を伴い軽度肥厚し,偽角質囊腫を多数認め,基底層にメラニン沈着を伴っていた.以上から,脂漏性角化症様の変化を伴ったnodular hidradenomaと診断した.自験例では結節が骨様硬であったことに加え,脂漏性角化症様の変化を伴っていたことにより臨床的にNHを鑑別に挙げることがより困難であった.
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.