Japanese
English
症例報告
終末期の頭部血管肉腫に対してMohsペーストで局所コントロールを行った1例
A case of terminal phase angiosarcoma of the scalp treated with Mohs' paste
渡部 真奈
1
,
羽尾 貴子
1
,
遠藤 嵩大
2
,
黒羽根 系一
1
,
鎌田 英明
1
Mana WATANABE
1
,
Takako HAO
1
,
Takahiro ENDO
2
,
Keiichi KUROHANE
1
,
Hideaki KAMATA
1
1地域医療機能推進機構横浜中央病院皮膚科
2日本大学医学部皮膚科学系皮膚科学分野
1Division of Dermatology, Japan Community Health Care Organization, Yokohama Chuo Hospital, Yokohama, Japan
2Division of Cutaneous Science, Department of Dermatology, Nihon University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
頭部血管肉腫
,
Mohsペースト
,
chemosurgery
,
硬膜浸潤
,
緩和医療
Keyword:
頭部血管肉腫
,
Mohsペースト
,
chemosurgery
,
硬膜浸潤
,
緩和医療
pp.1079-1083
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205593
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要約 86歳,女性.頭頂部に生じた紫斑で当科を受診した.初診時,頭頂部に中央は血疱を呈する3cm大の紫紅色斑が1か所みられ,生検結果から血管肉腫と診断した.遠隔転移を認めなかったため,病変の切除および分層植皮術を行ったが,術後約1か月で,植皮部とは離れた後頭部に病変が出現し,その後も多発した.本人,家族ともに,これ以上の積極的な治療は行わず,可能な限り自宅で過ごすことを希望された.対症療法としてMohsペーストの塗布を試みたところ,出血,滲出液,悪臭のコントロールができ,在宅管理が可能となった.しかしながら,腫瘍自体の増殖は抑えられず,術後24か月で,骨破壊および硬膜浸潤をきたした.この時点でも遠隔転移は認めなかった.術後26か月,全身状態の悪化と疼痛のために入院し,呼吸不全にて永眠された.Mohsペーストは,低侵襲で簡便な緩和医療として,切除不能な表在性腫瘍に対して有用な方法の1つであると考えた.
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