症例
抗KS 抗体陽性抗ARS 抗体症候群の1 例
小原 明希
1
,
簗場 広一
1
,
中川 秀己
1
,
沼田 尊功
2
,
濱口 儒人
3
,
室 慶直
4
1東京慈恵会医科大学,皮膚科学講座(主任:中川秀己主任教授)
2同,呼吸器内科学講座
3金沢大学医薬保健研究域医学系,皮膚科学教室,准教授
4名古屋大学医学部,皮膚科学講座,准教授
キーワード:
皮膚筋炎
,
間質性肺炎
,
抗ARS抗体
,
抗KS抗体
Keyword:
皮膚筋炎
,
間質性肺炎
,
抗ARS抗体
,
抗KS抗体
pp.1869-1872
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000361
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59 歳,男性。1 年前より当院呼吸器内科で両肺下葉優位のすりガラス様陰影を指摘され,間質性肺炎の診断で経過観察されていた。2 カ月前より手指に角化性紅斑が出現し,多発性関節痛も伴うようになったため当科を受診した。Gottron徴候,mechanic’s hand,間質性肺炎より皮膚筋炎と診断した。プレドニゾロン30 mg/日,タクロリムス4 mg/日内服を開始したところ,皮疹,関節痛,間質性肺炎の改善を認めた。後日,抗KS 抗体が陽性と判明した。本抗体陽性例では間質性肺炎が先行し,典型的な皮膚筋炎の皮疹を伴わないことが多いため,皮疹を有する間質性肺炎の患者を診察する際には本抗体の存在に留意する必要がある。
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