症例
脱色素斑を伴った線状苔癬の1 例
荒尾 和哉
1
,
髙橋 美咲
1
,
横内 幸
2
,
福田 英嗣
1
1東邦大学医療センター大橋病院,皮膚科(主任:福田英嗣准教授)
2同,病理診断科/病院病理部(主任:高橋 啓教授)
キーワード:
線状苔癬
,
脱色素斑
,
サットン現象
,
生検
Keyword:
線状苔癬
,
脱色素斑
,
サットン現象
,
生検
pp.1865-1868
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000360
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10 歳,女児。1 年前より右前腕に丘疹を自覚した。徐々に丘疹が増数し,周囲に脱色素斑を伴うため当科を受診した。右前腕屈側に脱色素斑を伴う自覚症状のない粟粒大までの淡紅色丘疹が線状に配列していた。ダーモスコピー所見でdotted vessels が集簇していた。病理組織学的所見では軽度の液状変性と真皮上層に帯状リンパ球浸潤,真皮中層と皮下脂肪組織の汗腺周囲にリンパ球浸潤を認めた。線状苔癬と診断し,無治療で経過観察したところ3 カ月後に丘疹はほぼ平坦化し,脱色素斑部も正常皮膚色へと軽快傾向を示した。淡紅色丘疹周囲の脱色素斑の発症機序はCD8+T 細胞によるサットン現象,生検後自然消退の機序としてはCD4+CD25+制御性T 細胞の活性化が関与と推察した。
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