症例
長期の経過を経て間質性肺炎が亜急性に進行した抗MDA5 抗体陽性皮膚筋炎の1 例
澤田 香織
1
,
伊川 友香
1
,
前田 進太郎
1
,
松下 貴史
1
,
濱口 儒人
1
,
竹原 和彦
1
,
渡辺 知志
2
,
牧野 智
3
,
東 晃
3
1金沢大学医薬保健研究域医学系,皮膚分子病態学(主任:竹原和彦教授)
2同,呼吸器内科(主任:笠原和寿科長)
3富山赤十字病院,皮膚科(主任:東 晃部長)
キーワード:
皮膚筋炎
,
抗MDA5抗体
,
間質性肺炎
,
皮膚潰瘍
Keyword:
皮膚筋炎
,
抗MDA5抗体
,
間質性肺炎
,
皮膚潰瘍
pp.1873-1877
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000362
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57 歳,女性。10 年前に倦怠感,上眼瞼・手指・四肢に浸潤性紅斑が出現した。筋原性酵素の上昇(クレアチニンキナーゼ460 IU/l,アルドラーゼ7 IU/l),間質性肺炎があり,皮膚筋炎と診断された。その後,免疫沈降法により抗MDA5抗体陽性が判明した。約10 年間はステロイドパルス療法,ステロイド内服,シクロスポリン内服で病勢はコントロールされていたが,6 カ月前に手指の皮膚潰瘍,4 カ月前に間質性肺炎の増悪がみられ,当科へ転院した。シクロホスファミドパルス,免疫抑制剤による治療強化で症状は改善した。抗MDA5 抗体陽性例では一般に急速進行性の経過をとることが特徴であるが,一部に慢性から亜急性または急性に移行する場合があり,慎重な経過観察を要する。
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