臨床研究
フィラー交換の有無による陰圧閉鎖療法における創傷感染制御の検討
大西 正純
1
,
前田 文彦
1
,
高橋 和宏
1
,
天野 博雄
1
,
赤坂 俊英
2
1岩手医科大学,皮膚科学講座(主任:天野博雄教授)
2北上済生会病院,院長
キーワード:
陰圧閉鎖療法
,
皮膚潰瘍
,
常在菌
,
細菌感染
Keyword:
陰圧閉鎖療法
,
皮膚潰瘍
,
常在菌
,
細菌感染
pp.1695-1700
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000242
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陰圧閉鎖療法(NPWT)を行った16 例について治療前後の細菌培養結果を検討し,フィラー(充填材料)交換の有無で比較した。細菌培養の結果,検出された細菌はNPWT 治療前後ともにメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が最多であった。治療後は全例で細菌培養陽性となり,治療前に細菌が検出された症例すべてで治療後も同様の菌種が検出された。これらの傾向はフィラー交換の有無にかかわらず共通であったが,交換を行った症例では菌種の増加が,行わなかった症例では菌量の増加傾向がみられた。NPWT による湿潤・密封環境は細菌の定着に,フィラー交換などの処置は新たな汚染の原因となり得ると考えた。
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