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特集 最近のトピックス2007 Clinical Dermatology 2007
4. 皮膚疾患治療のポイント
陰圧閉鎖療法による慢性皮膚潰瘍の治療
Negative pressure therapy for chronic skin ulcer
館 正弘
1
Masahiro TACHI
1
1東北大学大学院医学系研究科形成外科学分野
1Department of Plastic and Reconstructive Surgery, Tohoku University School of Medicine, Sendai, Japan
キーワード:
陰圧閉鎖療法
,
褥瘡
,
血管新生
,
ポケット
,
物理療法
Keyword:
陰圧閉鎖療法
,
褥瘡
,
血管新生
,
ポケット
,
物理療法
pp.99-102
発行日 2007年4月10日
Published Date 2007/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101627
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要約 陰圧閉鎖療法は創面全体を閉鎖環境に置き,創面を持続的あるいは間歇的な陰圧で管理する新しい創傷治療法である.創傷での新生血管増生を促進し,組織内の酸素分圧を上昇させ,肉芽増生を促進する.感染巣やコロナイゼーションしている創部に対しては,細菌や細菌の外毒素を直接排出させる作用もある.難治性皮膚潰瘍面をデブリードマン後に植皮手術を行うことがあるが,そのような場面でも陰圧閉鎖療法を併用することにより,従来では困難であった植皮の生着が可能となった.また,創縁同士を引き寄せる作用があるため,創収縮も促進される.さらに創部を陰圧で固定するので,胸壁欠損などのように動揺する創や,腸管損傷を含む腹部外傷創などでも有用性が高い.特殊な形態の創部としてポケットを有する褥瘡や糖尿病性皮膚潰瘍に対して,ポケット切開を行うことなく創壁同士を接着させることも可能である.
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