臨床室
局所陰圧閉鎖療法が有効であった骨露出を伴う四肢皮膚欠損の2例
菅 豊明
1
,
加藤 精一
,
田中 治和
,
金海 英米
1愛染橋病院 整形外科
キーワード:
Bucladesine
,
脛骨骨折
,
骨折-開放
,
MRI
,
デブリードマン
,
X線CT
,
腓骨
,
皮膚潰瘍
,
線維芽細胞増殖因子2
,
軟部組織損傷
,
陰圧閉鎖療法
Keyword:
Debridement
,
Bucladesine
,
Fibula
,
Fractures, Open
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Skin Ulcer
,
Tibial Fractures
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Fibroblast Growth Factor 2
,
Soft Tissue Injuries
,
Negative-Pressure Wound Therapy
pp.339-342
発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013197296
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症例1は77歳男で、左脛骨近位開放骨折術後に感染創から広範囲の骨露出を伴う皮膚欠損を生じた。心不全などの全身状態から保存的治療を選択し、局所陰圧閉鎖療法(NPWT)を連続陰圧(125mmHg)で開始したところ、簡便かつ安全に使用でき、創面の上皮化が得られた。症例2は74歳男で、第5中足骨頭部の骨髄炎所見があり、末梢動脈疾患(PAD)と診断され、第5中足骨より遠位部の切断とデブリドマンを行ったが、感染創から骨露出を伴う皮膚欠損を生じた。NPWTを連続陰圧(125mmHg)で開始したところ、血管新生が起こり創閉鎖を得た。NPWTは頻回の交換が不要で、装置を装着したまま理学療法も行えるため、入院期間の短縮や医療コスト削減も可能である。また、MPWTによる局所血流の増加は創傷治癒の過程に有利に働き、近位での切断を回避できる可能性があると思われた。
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