特集 水疱症アップデート
BP180NC16a に対する自己抗体のみが検出された粘膜類天疱瘡の1例
岩崎 文
1
,
小林 祐子
1
,
白井 浩平
1
,
川内 康弘
1
,
橋本 隆
2
1東京医科大学茨城医療センター,皮膚科(主任:川内康弘教授)
2久留米大学,皮膚細胞生物学研究所
キーワード:
粘膜類天疱瘡
,
抗BP180抗体‒C末端部位
,
抗BP180抗体‒NC16a部位
Keyword:
粘膜類天疱瘡
,
抗BP180抗体‒C末端部位
,
抗BP180抗体‒NC16a部位
pp.1680-1683
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000235
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77歳,女性。肛囲,口腔内のびらん,下腿の小水疱が出現したため当科を受診した。臨床検査所見では抗BP180抗体が陽性,病理組織学的所見では表皮下水疱がみられた。蛍光抗体直接法では,表皮基底膜部に沿ってIgG,C3が線状に沈着し,1M食塩水剝離ヒト皮膚を用いた蛍光抗体間接法ではIgGが表皮側に陽性を示した。自己抗原の検索では, リコンビナント蛋白を用いたBP180NC16aに対する自己抗体のみが検出された。以上の粘膜主体の臨床症状と検査所見より粘膜類天疱瘡と診断した。臨床症状と抗原特異性の乖離の理由は明らかではないが,今後,C末端陽性例との臨床像の違いなどについて検証されることが期待される。
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