Japanese
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特集 水疱症
抗BP230抗体陽性の粘膜類天疱瘡の1例
Mucous membrane pemphigoid with anti-BP230 antibodies
宮崎 愛子
1
,
中田 礼
1
,
石井 文人
2
,
井汲 今日子
1
,
森田 明理
1
Aiko MIYAZAKI
1
,
Aya NAKADA
1
,
Norito ISHII
2
,
Kyoko IKUMI
1
,
Akimichi MORITA
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科,加齢・環境皮膚科学(主任:森田明理教授)
2久留米大学大学院医学研究科,皮膚科
キーワード:
粘膜類天疱瘡
,
水疱性類天疱瘡
,
自己免疫性水疱症
,
抗BP230抗体
Keyword:
粘膜類天疱瘡
,
水疱性類天疱瘡
,
自己免疫性水疱症
,
抗BP230抗体
pp.65-68
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003049
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65歳,男性。初診2カ月前より多発する口腔内のびらんと潰瘍を主訴に前医口腔外科を受診した。ヘルペス性口内炎や口腔カンジダ症として治療をしたが難治であり,自己免疫性水疱症の疑いで当科を紹介受診した。抗BP230抗体陽性,蛍光抗体間接法でIgGの表皮側への沈着を認め,抗BP230抗体陽性の粘膜類天疱瘡と診断した。ステロイドの全身投与で粘膜部のびらんは改善したが,徐々に嚥下困難を自覚し,食道に高度狭窄をおこした。現在,食道バルーン拡張術を行っている。本邦において抗BP230抗体単独陽性例はまれである。また,食道病変の存在は嚥下困難や食事摂取不良をきたしQOL(生活の質)の低下を招くため,注意が必要である。
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