特集 水疱症アップデート
DPP‒4 阻害薬による水疱性類天疱瘡の3例
土屋 暁子
1
,
矢口 順子
1
,
佐藤 文子
1
,
角田 孝彦
1
,
五十嵐 雅彦
2
,
西江 渉
3
,
橋本 隆
4
1山形市立病院済生館,皮膚科(主任:角田孝彦科長)
2同,糖尿病・内分泌内科
3北海道大学大学院医学研究院,皮膚科学教室,准教授
4久留米大学,皮膚細胞生物学研究所
キーワード:
水疱性類天疱瘡
,
糖尿病
,
DPP‒4阻害薬
,
全長型抗BP180抗体
Keyword:
水疱性類天疱瘡
,
糖尿病
,
DPP‒4阻害薬
,
全長型抗BP180抗体
pp.1645-1650
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000228
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糖尿病治療薬であるdipeptidyl peptidase(DPP)‒4阻害薬を内服中に水疱性類天疱瘡(BP)を発症した3例を報告する。病理組織学的には全例でBP と診断されたが,血清学的診断として使われる抗BP180NC16a 抗体価はいずれも低値であった。しかし,全長型抗BP180抗体価は,全例で水疱や紅斑などBP特有の皮膚症状がみられた際には高値を示し,そのなかの2例においてはDPP‒4阻害薬の中止による皮膚症状の改善に伴い抗体価が鋭敏に低下した。したがって,DPP‒4阻害薬によるBPの診断に際しては,抗BP180NC16a抗体では陰性の場合があるため,全長型抗BP180抗体測定のほうが臨床的に重要と考えられた。
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