特集 細菌感染症
Edwardsiella tarda による壊死性筋膜炎の1例
白石 映里子
1
,
平澤 祐輔
1
,
池田 志斈
1
1順天堂大学,皮膚科学講座(主任:池田志斈教授)
キーワード:
Edwardsiella tarda
,
壊死性筋膜炎
,
敗血症
,
多発性骨髄腫
Keyword:
Edwardsiella tarda
,
壊死性筋膜炎
,
敗血症
,
多発性骨髄腫
pp.1495-1498
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000189
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65歳,男性。多発性骨髄腫に対して化学療法中に,右大腿内側から前面にかけて腫脹・熱感・疼痛が出現し緊急入院。入院後,意識障害が出現し,敗血症性ショックに陥った。急速に進行する下肢の壊疽,筋酵素の上昇がみられ,血液と下肢の水疱内からEdwardsiella tarda(E.tarda)が検出されたことから,E.tarda による壊死性筋膜炎および敗血症と診断した。メロペネム,バンコマイシン塩酸塩,クリンダマイシンを投与,右大腿切断により救命し得た。E. tardaによる軟部組織感染症はまれであるが,易感染性宿主では敗血症や壊死性筋膜炎に至り,致死的な転帰をとる可能性が高いため注意すべき菌種であり,その危険性を認識する必要がある。
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