救命できたVibrio vulnificus敗血症，壊死性筋膜炎の1例

Sepsis and necrotizing fasciitis with Vibrio vulnificus infection that could be saved

69歳，男性。既往歴にアルコール性肝障害があった。魚介類摂取2日後，右足背の疼痛と発熱にて救急搬送された。右足蜂窩織炎にて帰宅としたが，血液塗抹検査でグラム陰性桿菌を検出し再診を指示した。敗血症性ショックを呈し，抗菌薬治療を開始したが全身状態が悪化し両下肢に紫斑が出現した。各種培養検査よりVibrio vulnificus敗血症，壊死性筋膜炎と診断し，積極的な外科的治療を行い，全身状態は改善した。Vibrio vulnificus感染症による壊死性軟部組織感染症は致死率の高い重篤な疾患である。自験例は紫斑出現までに3日と病勢が遅く，また早期に起因菌を特定し，迅速に適切な抗菌薬を投与し救命できたと考える。