発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015093953
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例は73歳男で、十二指腸乳頭部がんで切除術および胆管空腸吻合、急性胆嚢炎に伴う大腸菌敗血症の既往があった。僧帽弁逸脱症による重症僧帽弁逆流症の診断で僧帽弁形成術を受け、その後通院治療中であったが、術後10ヵ月頃より発熱、食欲低下が出現し5日間の経過で増悪した。発症前日の定期診察時に比較して白血球数増加、左方移動、CRP上昇を認め、入院後AST 93 IU/L、ALT 76 IU/Lと微増がみられた。尿所見に異常はなく、咳・痰などはみられず呼吸器感染症も否定的であったため、急性胆道系感染症を疑い、SBT/CPZ 2g/日の投与を開始した。投与後発熱は軽減し、第13病日に投与を終了して他の検査所見も正常化した。入院時の血液培養からEdwardsiella tardaが検出され、敗血症の起炎菌と確定された。
©Nankodo Co., Ltd., 2015