Japanese
English
症例報告
脛骨前粘液水腫の1例
A case of pretibial myxedema
瀧澤 一
1
,
鈴木 拓
1
,
大西 誉光
1
,
渡辺 晋一
1
,
高橋 久
1
Hajime TAKIZAWA
1
,
Taku SUZUKI
1
,
Takamitsu OHNISHI
1
,
Shinichi WATANABE
1
,
Hisashi TAKAHASHI
1
1帝京大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Teikyo University School of Medicine
キーワード:
甲状腺機能亢進症
,
脛骨前粘液水腫
Keyword:
甲状腺機能亢進症
,
脛骨前粘液水腫
pp.162-165
発行日 2000年2月1日
Published Date 2000/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903136
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57歳,女性のバセドウ病患者にみられた脛骨前粘液水腫の1例を報告した.現病歴は,バセドウ病にてメルカゾール®を6か月内服していたが,自己判断で中断した.その6か月後に体重減少と右下腿脛骨前面の皮疹に気づき,4か月間で徐々に拡大した.初診時,TSHの高値,free T3,free T4の低値と,甲状腺機能は充進していた.現症は,右下腿前面の比較的境界明瞭な弾性硬の浮腫性局面で,組織学的に真皮全層の浮腫と膠原線維の離開を認めた.膠原線維間はコロイド鉄およびアルシアンブルー染色陽性で,ピアルロニダーゼで消化されたことよりヒアルロン酸の沈着と考えられた.甲状腺機能の改善はないにもかかわらず,ステロイドの外用により皮疹は改善した.
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