Japanese
English
症例報告
橋本病にみられた脛骨前粘液水腫の1例
A case of pretibial myxedema associated with Hashimoto's disease
楠瀬 智子
1
,
檜垣 祐子
2
,
川島 眞
1
Tomoko KUSUNOSE
1
,
Yuko HIGAKI
2
,
Makoto KAWASHIMA
1
1東京女子医科大学皮膚科学教室
2東京女子医科大学付属女性生涯健康センター
1Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical University, Tokyo, Japan
2Institute of Women's Health, Tokyo Women's Medical University, Tokyo, Japan
キーワード:
脛骨前粘液水腫
,
橋本病
,
TSH受容体抗体(TRAb)
,
甲状腺刺激抗体(TSAb)
Keyword:
脛骨前粘液水腫
,
橋本病
,
TSH受容体抗体(TRAb)
,
甲状腺刺激抗体(TSAb)
pp.336-338
発行日 2007年4月1日
Published Date 2007/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101423
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要約 44歳,女性.2年前に発症した橋本病で乾燥甲状腺末(チラーヂン(R))100mg/日内服中であった.初診の4か月前より両側下腿前面に隆起性局面が出現し,同時期より両眼球突出があったため,自己判断で乾燥甲状腺末を50mg/日に減量した.その後も皮疹の拡大を認めるため,当科を受診した.初診時は,両下腿前面に弾性硬の境界明瞭な浮腫性局面を認めた.組織学的には,真皮全層が浮腫となり,膠原線維間に淡い好塩基性物質が沈着していた.沈着物質は,アルシアンブルー染色で淡青色に染色され,酸性ムコ多糖と考えた.血液検査では,FT3,FT4は正常範囲であったが,TSHは低値であり,甲状腺刺激抗体(TSAb),TSH受容体抗体(TRAb)は高値であった.その後,乾燥甲状腺末を75mg/日に変更し,皮疹部にはステロイド外用を開始し,皮疹は徐々に縮小してきている.
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