Japanese
English
症例報告
Basedow病に合併した象皮症様外観を呈した脛骨前粘液水腫の1例
A case of pretibial myxedema with elephantiasis-like appearance associated with Basedow's disease
丸 玲奈
1
,
吉原 渚
1
,
平澤 祐輔
1
,
池田 志斈
1
Reina MARU
1
,
Nagisa YOSHIHARA
1
,
Yusuke HIRASAWA
1
,
Shigaku IKEDA
1
1順天堂大学医学部皮膚科
1Department of Dermatology, Juntendo University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
脛骨前粘液水腫
,
Basedow病
,
甲状腺全摘出術
Keyword:
脛骨前粘液水腫
,
Basedow病
,
甲状腺全摘出術
pp.173-178
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206903
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要約 55歳,男性.初診3年前にBasedow病の診断のもと,チアマゾールの内服を開始した.その後,下腿に紅色局面が出現したため,前医皮膚科で皮膚生検を受け,脛骨前粘液水腫と診断された.特に治療は行われず,経過観察されていた.皮疹は徐々に拡大し,疼痛・歩行困難感が出現してきたため,当院を紹介受診した.初診時,下腿の脛骨前面から足背部にかけて淡紅色の弾性硬の結節が多発集簇し,局面を呈していた.再度皮膚生検を施行したところ,真皮内にアルシアンブルー染色で青染されるムチンの沈着がみられ,脛骨前粘液水腫と改めて診断した.クロベタゾールプロピオン酸エステル外用を開始し,また同時期に甲状腺全摘出術が施行された.術後3年が経過し,前脛骨の局面は消失した.甲状腺全摘術により脛骨前粘液水腫が発症または悪化する報告が多いが,本症例では軽快した.甲状腺摘出時,早期に高力価のステロイド外用を行うことにより,脛骨前粘液水腫の悪化を防ぐことができる可能性がある.
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