症例
皮膚転移を主訴とした淡明細胞型腎細胞癌の1例
神谷 秀喜
1
,
北島 康雄
1
1木沢記念病院,皮膚科・皮膚がんセンター(主任:神谷秀喜部長)
キーワード:
皮膚転移
,
淡明細胞型腎細胞癌
Keyword:
皮膚転移
,
淡明細胞型腎細胞癌
pp.1449-1452
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000171
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45歳,男性。1カ月前から左下腹部の皮下腫瘤に気づき,急速に増大した。陰茎左側基部に20×15 mm 大,境界明瞭で圧痛を伴う皮下腫瘤を認める。病理組織学的には,腫瘍が胞巣状・索状に増殖し,間質には微小血管が豊富に観察された。腫瘍細胞は,淡明ないし淡好酸性の細胞質と核異型の強い細胞がシート状に増生していた。免疫組織学的には,腎細胞癌に特異性の高いCD10,PAX8,CAⅨで陽性が得られた。造影CT 検査で左腎下極から突出する32×23mmの腫瘤がみられた。腫瘍内部には壊死を思わせる低吸収域を伴い,腎細胞癌が強く疑われた。皮膚転移を契機に淡明細胞型腎細胞癌が診断されるケースは比較的まれである。統計的事項に加えて,画像診断のピットフォールについても考察した。
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