症例
原発性胆汁性肝硬変に合併し手掌線条黄色腫を含む多彩な臨床像を呈した黄色腫の1例
栗田 あさひ
1
,
竹中 祐子
1
,
川島 眞
1
1東京女子医科大学,皮膚科学教室(主任:川島眞教授)
キーワード:
黄色腫
,
原発性胆汁性肝硬変
,
肝移植
Keyword:
黄色腫
,
原発性胆汁性肝硬変
,
肝移植
pp.1153-1156
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000087
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45歳,女性。初診の8年前から原発性胆汁性肝硬変(PBC)にて治療中。4年前より両上下眼瞼,1年前より躯幹・四肢に結節を生じた。両側内眼角から上下眼瞼にかけて扁平隆起する黄色結節,躯幹・四肢に5mm大までの黄白色調の結節が多発し,両手掌掌紋と手指関節屈側の皺襞に一致して黄色線条と黄色結節を認め,黄疸と著明な瘙痒を伴った。病理組織学的に真皮内に泡沫細胞の集簇があり,PBCによる二次性高脂血症に伴う黄色腫と診断した。PBCに対する標準的治療は奏効せず肝移植が施行され,高脂血症の改善とともに結節は平坦化した。終末期のPBCにおける肝移植の選択は,瘙痒や黄色腫の改善から患者のquality of lifeの向上につながる場合がある。
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