症例
尿管癌にAcanthosis Nigricans とFlorid Cutaneous Papillomatosisを合併した1例
大沼 毅紘
1
,
原田 和俊
1
,
川村 龍吉
1
,
柴垣 直孝
1
,
島田 眞路
1
,
久保寺 智
2
1山梨大学医学部,皮膚科(主任:島田眞路教授)
2市川三郷町立病院,泌尿器科
キーワード:
flolid cutaneous papillomatosis
,
acanthosis nigricans
,
尿管癌
,
尋常性疣贅
,
デルマドローム
Keyword:
flolid cutaneous papillomatosis
,
acanthosis nigricans
,
尿管癌
,
尋常性疣贅
,
デルマドローム
pp.1149-1152
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000086
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80歳,男性。半年程前から四肢・顔面に米粒大から大豆大の灰白色小結節が出現し,徐々に増加した。経過中,皮膚結節の急速な増加とともに瘙痒も増悪した。両側腋窩・鼠径部には角化性の黒褐色局面を認め,黒色表皮腫の所見であった。皮膚結節の病理組織学的所見では過角化,表皮の肥厚・乳頭状増殖を示し,尋常性疣贅との鑑別は困難であった。皮疹の出現と尿管癌の病勢に相関が認められたこと,病変部でのウイルス学的検索でHPVの感染が否定的であったことより,尿管癌にacanthosis nigricansとflorid cutaneous papillomatosisを合併した症例と診断した。担癌患者に瘙痒を伴う難治性の疣贅様の病変が多発した際には,本症を疑う必要がある。
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