症例
ニフェジピンによる薬剤性乾癬の1例
永岡 譲
1
,
秋草 文四郎
2
1松戸市立病院,皮膚科,部長
2同,病理診断科
キーワード:
ニフェジピン
,
薬剤性乾癬
,
貼布試験
,
リンパ球幼若化試験
,
内服試験
Keyword:
ニフェジピン
,
薬剤性乾癬
,
貼布試験
,
リンパ球幼若化試験
,
内服試験
pp.1141-1144
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000084
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68歳,女性。2型糖尿病,肥満,脂質異常症,高血圧の既往があり,15年間ニフェジピンを内服していた。急性湿疹のため下背部を激しく搔破したのを契機に,皮疹が出現した。病理組織学的所見では錯角化,過角化,Munro微小膿瘍,顆粒層消失,表皮肥厚,表皮突起延長,真皮上層の毛細血管拡張と血管周囲性の炎症細胞浸潤を認め,尋常性乾癬と診断した。ステロイドと活性型ビタミンD3外用に反応せず,ニフェジピンの中止のみで1 カ月で色素沈着を残して軽快した。ニフェジピンを用いた貼布試験とリンパ球幼若化試験は陰性であった。自験例のように,標準的治療にもかかわらず難治な乾癬様の皮疹に遭遇した場合は,薬剤の関与を疑うべきであると考えた。
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