綜説
デュピルマブと結膜炎
尾﨑 俊介
1
,
福田 憲
1
1高知大学医学部眼科学講座
キーワード:
デュピルマブ
,
アトピー性皮膚炎
,
結膜炎
,
ドライアイ
,
春季カタル
Keyword:
デュピルマブ
,
アトピー性皮膚炎
,
結膜炎
,
ドライアイ
,
春季カタル
pp.791-798
発行日 2026年9月5日
Published Date 2026/9/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000004786
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アレルギー疾患は,アレルギー性結膜疾患のみならずアトピー性皮膚炎(以下,AD),気管支喘息,慢性副鼻腔炎などさまざまな臓器に生じる。また「アレルギーマーチ」と呼ばれるように一人の患者に複数のアレルギー疾患を併発することも特徴である。このようなアレルギー疾患には「2型炎症」と呼ばれる共通の病態がある。2型炎症とは,2型ヘルパーT細胞(Th2細胞)や2型自然リンパ球が産生するインターロイキン(IL)-4,IL-5,IL-13などのサイトカインが引き起こす炎症で,IgE産生の亢進や好酸球の動員および活性化を引き起こし,臓器ごとに多彩な病態を引き起こす。近年2型炎症を標的とした分子標的薬の登場により,これらの疾患の治療戦略は飛躍的に進歩している。そのなかでIL-4受容体α抗体(IL-4Rα)であるデュピルマブ(デュピクセントⓇ)は,2018年にADに対して適応が認められ,強い臨床効果を示している。その後,気管支喘息や鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎などの他の2型炎症が関与する疾患に次々と適応が拡大され,その使用が急速に広がっている。一方で,AD患者においてデュピルマブ投与に伴う結膜炎の発症が報告されており,眼科領域においてはその病態の理解と適切な対応が臨床上重要となっている。他方,デュピルマブによる重症の春季カタルやアトピー性角結膜炎の治療効果も報告されている。本稿においては,デュピルマブによる眼への作用について概説する。

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