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デュピルマブは,IL-4とIL-13の共通の受容体であるIL-4Rαサブユニットに対する完全ヒト型モノクローナル抗体であり,IL-4とIL-13のシグナルをブロックすることによりアトピー性皮膚炎(atopic dermatitis:AD)や気管支喘息に奏効する1).ADに保険適用された2018年春以後,大きく変化を遂げた同疾患の全身療法により,速やかな寛解導入が期待できる.高い治療効果が期待できる一方で,デュピルマブ治療をしたAD患者には特徴的に眼の副作用を認めた.実際,デュピルマブによる眼合併症は,ADでは20~40%に及ぶ症例に発症すると報告されている1~3).
本邦におけるADのデュピルマブ市販直後6カ月調査結果概要(2018年4月23日~10月22日)では,全合併症410件中,眼合併症は191件(46.6%)にものぼる.同合併症は多くは皮膚科医からの報告であり,感染性結膜炎,アレルギー性結膜炎,眼瞼炎,眼瘙痒症,重症のアトピー性角結膜炎(atopic keratoconjunctivitis:AKC)などさまざまな診断名で報告されている.一方,眼科医からの報告ではデュピルマブによる眼合併症を,“ocular surface disease induced by dupilumab”,“dupilumab-induced ocular surface disease”そして“dupilumab associated ocular adverse events”など,デュピルマブに関連していることを示唆した診断名を用いた報告が散見されるが,統一された呼称は確立されていない4~6).
本稿では,デュピルマブの投与後にみられる眼疾患のうち,眼瞼結膜の充血,眼瘙痒そして流涙を認める疾患をデュピルマブ関連結膜炎(dupilumab associated conjunctivitis:DAC)と定義し,その典型例を供覧したうえで,DACの病態およびその病態に対する治療法を検討する.
(「はじめに」より)
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