特集 知っておきたい 眼科処置・手術の合併症対策と予防
Ⅴ 網膜硝子体 1 硝子体内ガス注入に伴う合併症
岩瀬 雄仁
1
,
馬場 隆之
1
1千葉大学大学院医学研究院眼科学
pp.1033-1036
発行日 2023年10月5日
Published Date 2023/10/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003306
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硝子体内ガス注入に用いられるガスは六フッ化硫黄(SF6)と八フッ化プロパン(C3F8)があり,2007年11月にC3F8,2008年4月にSF6がそれぞれ厚生労働省の承認を受けている。添付文書によればその適応は「網膜裂孔に伴う,網膜剥離患者における網膜復位」となっているが,ガイドラインによれば,裂孔原性網膜剥離や黄斑円孔に対する硝子体手術時のタンポナーデ物質として用いられるほか,気体網膜復位術,黄斑下血腫の移動が適応とされている1)。本邦では,網膜細動脈瘤破裂や加齢黄斑変性における黄斑部を含む網膜下出血への初期治療としてよく行われている。本稿では黄斑下血腫に対する硝子体内ガス注入について述べる。
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