今月の表紙
硝子体内ガス注入による網膜下血腫移動術後
風間 今日子
1
,
菅谷 由起子
1
,
宇多 重員
1
,
鈴木 康之
2
1二本松眼科病院
2東海大学八王子病院
pp.1920
発行日 2013年12月15日
Published Date 2013/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410105047
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68歳,男性。前医から網膜下出血の精査・加療目的にて紹介され当院を受診した。初診時視力は右(1.2),左(0.04),中間透光体に軽度白内障(Emery-Little分類:Grade Ⅰ),左眼底に黄斑を含む比較的広範な網膜下出血を認めた。フルオレセイン・インドシアニングリーン蛍光眼底造影にて異常血管網と血管瘤様の過蛍光を認め,ポリープ状脈絡膜血管症と診断した。発症から17日目に硝子体内ガス注入による網膜下血腫移動術を行った。100% sulfur hexafluorideガスを約0.35ml硝子体内に注入し,ガスが消失するまで腹臥位を維持した。術後,黄斑下の出血は周辺側に移動し,術後10日目には視力も左(0.7)まで回復した。
写真は,血腫移動術後1日目に超広角走査レーザ検眼鏡Optos200Tx®(OPTOS社製)で撮影した眼底写真である。術翌日でありガスは一塊となっておらず,大小多数のバブルとなって上方に貯留している様子が,後極から周辺まで1ショットで捉えた1枚の眼底写真の中に描出されている。上下眼瞼の睫毛の写り込みを抑える工夫として,サージカルテープで上下眼瞼を牽引して撮影を行った。
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