特集 知っておきたい 眼科処置・手術の合併症対策と予防
Ⅳ ぶどう膜 3 前房水採取(ぶどう膜炎前房水スクリーニング検査)
中野 聡子
1
1大分大学医学部眼科学講座
pp.1030-1031
発行日 2023年10月5日
Published Date 2023/10/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003305
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治療開始前の前房水は,病原体や炎症に富む情報の宝庫である。「ぶどう膜炎前房水スクリーニング検査」では,初診時の前房水を,病因診断に必要な検査〔塗抹鏡検,培養,PCR(polymerase chain reaction),細胞診,サイトカイン検査など〕に適切に振り分けることで,病原体の特定や治療選択に必要な客観的情報が得られる。前房水は微量であるため,臨床所見に基づき,病因ごとに適切な検査を組み合わせる戦略を要する。また,治療開始後の検体は病原体や炎症が乏しく,検査に適さないため,治療開始前の貴重な機会を逃さないようにする。病因検査の観点からは,ぶどう膜炎精査紹介前のステロイド点眼等の開始は避けることが望ましい。
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