私の経験
血管炎の診断に先行して発症した網膜中心動脈閉塞症の1例
田内 慎吾
1
,
土屋 芳治
1
,
八瀬 浩貴
1
,
田宮 宗久
1
,
永井 春彦
1
,
小林 賢治
2
1勤医協札幌病院眼科(北海道)
2市立札幌病院眼科(北海道)
キーワード:
網膜中心動脈閉塞症
,
血管炎
,
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
,
central retinal artery occlusion
,
vasculitis
,
eosinophilic granulomatosis with polyangiitis
Keyword:
網膜中心動脈閉塞症
,
血管炎
,
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
,
central retinal artery occlusion
,
vasculitis
,
eosinophilic granulomatosis with polyangiitis
pp.667-671
発行日 2023年7月5日
Published Date 2023/7/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003191
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血管炎の診断に先行して発症した網膜中心動脈閉塞症(CRAO)の1例を経験したので報告する。患者は51歳,女性。気管支喘息で治療中。右肩痛・右下肢のしびれ症状,右眼視力低下を自覚し,勤医協中央病院へ救急搬送された。視力は右眼指数弁/30cm(矯正不能),相対的瞳孔求心路障害陽性,眼底には後極部網膜の白濁および桜実紅斑を認め,CRAOと診断した。好酸球増多があり,内科的精査で好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)と診断された。眼科で血栓溶解薬および血管拡張薬,内科でステロイド,免疫抑制薬および免疫グロブリン製剤を投与するも,最終視力は右眼指数弁/30cm(矯正不能)にとどまった。CRAO発症の場合,全身性血管炎の潜在も考慮して,内科と連携し原因検索を行うことが必要である。
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