綜説
黄斑円孔の広角OCTによる観察と手術戦略
伊藤 洋子
1
,
森 圭介
1
1国際医療福祉大学病院眼科
キーワード:
黄斑円孔
,
広角光干渉断層撮影
,
OCT
,
硝子体手術
,
後部硝子体皮質
,
後部硝子体剥離
,
PVD
Keyword:
黄斑円孔
,
広角光干渉断層撮影
,
OCT
,
硝子体手術
,
後部硝子体皮質
,
後部硝子体剥離
,
PVD
pp.1175-1181
発行日 2022年12月5日
Published Date 2022/12/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002897
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特発性黄斑円孔(以下,黄斑円孔)の発症病理は,当初,検眼鏡的眼底観察所見から,中心窩周囲の後部硝子体の収縮がもたらすピンと張った接線方向の網膜牽引によるものである1),という仮説が広く認知された。この仮説では後部硝子体に含まれる増殖したMüller細胞や反応性グリア細胞の収縮がこの牽引力の本質であると考えられ,後部硝子体皮質除去とガスタンポナーデによる黄斑円孔閉鎖が試みられるようになった2)。一方で,硝子体手術で得られたサンプルの病理学的検索では,増殖組織は少ないことから,Gassが提唱した後部硝子体の収縮の機序に疑問が示され,硝子体のリモデリング,および後部硝子体の流動性による牽引力が働いているという,2つの可能性が提示された3)4)。
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