症例報告
内境界膜下出血,黄斑円孔を伴った網膜細動脈瘤破裂に対し内境界膜被覆を行った1例
榊原 拓也
1
,
若月 優
1
,
北川 順久
1
,
服部 隆幸
1
,
中静 裕之
1
1日本大学病院眼科
キーワード:
黄斑円孔
,
内境界膜
,
網膜細動脈瘤
,
網膜細動脈瘤破裂
,
硝子体手術
,
内境界膜下出血
Keyword:
黄斑円孔
,
内境界膜
,
網膜細動脈瘤
,
網膜細動脈瘤破裂
,
硝子体手術
,
内境界膜下出血
pp.783-788
発行日 2021年8月5日
Published Date 2021/8/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002222
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網膜細動脈瘤(retinal arterial macroaneurysm:RAM)破裂による内境界膜(internal limiting membrane:ILM)下出血除去後に黄斑円孔(macular hole:MH)を認め,内境界膜被覆法によってMHの閉鎖を得られた症例を報告する。
症例は81歳女性,5日前から右眼視力低下を自覚していた。初診時視力は右眼(0.08),左眼(0.6),両眼眼内レンズ挿入眼であった。眼底検査では右眼黄斑部にRAM破裂によるILM下出血を認めた。27ゲージ硝子体手術を施行し,黄斑部上方を基底とするILM剥離を行い,ILM flapを残したままILM下出血を除去した。MHの存在が確認されたため粘弾性物質を用いたILM被覆法を行い,20% SF6ガスで置換し,24時間の腹臥位とした。術翌日の光干渉断層計所見では円孔閉鎖が不十分であったが全身状態を考慮し,座位あるいは両側臥位とした。術後4日目に円孔閉鎖を確認した。術後5か月目,右眼視力は(0.6)に向上した。
ILM flapを温存したままILM下出血を除去することで,MHを伴うRAMに対し,ILM被覆法が可能であった。
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