綜説
線維柱帯に対する緑内障レーザー治療の現状と未来
新田 耕治
1
1福井県済生会病院眼科(福井市)
キーワード:
選択的レーザー線維柱帯形成術
,
SLT
,
正常眼圧緑内障
,
第一選択治療
,
レーザー治療
,
緑内障
Keyword:
選択的レーザー線維柱帯形成術
,
SLT
,
正常眼圧緑内障
,
第一選択治療
,
レーザー治療
,
緑内障
pp.1167-1174
発行日 2022年12月5日
Published Date 2022/12/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002896
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緑内障症例を長期間にわたり診察する場合には,根治療法がないので点眼治療のみではなく,レーザー治療や観血的治療も織り交ぜながら管理しなければならない。本稿で取りあげる,緑内障レーザー治療のひとつである選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT)は1990年代に登場したが,説明に時間がかかる・レーザー治療に対する抵抗感が強く患者を説得しきれない・期待したほど眼圧が下降しないなどが原因で日本ではなかなか普及していかなかった。しかし,2019年にLancetからLiGHT studyの結果が発表され1)~3),原発開放隅角緑内障(POAG)や高眼圧症(OH)にSLTが第一選択治療として有用であることが発表され,日本でも緑内障の第一選択治療としてのSLT(つまり点眼治療で開始せずいきなりSLTを施行)や1剤の緑内障点眼で治療しても目標眼圧に到達しないあるいは緑内障が進行する症例に対する第二選択治療としてのSLT(つまり現在使用している1剤の点眼は継続したままSLTを施行)が注目されている。
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