特集 眼科外来診療 ―クリニックでの対応と紹介のタイミング―
Ⅳ 網膜硝子体 15 巨大黄斑円孔の見極め方
北畑 将平
1
1横浜市立大学附属市民総合医療センター眼科
キーワード:
黄斑円孔
,
強度近視
,
自家網膜移植術
,
硝子体手術
Keyword:
黄斑円孔
,
強度近視
,
自家網膜移植術
,
硝子体手術
pp.1310-1315
発行日 2024年11月14日
Published Date 2024/11/14
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003886
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黄斑円孔は網膜の中心に存在する黄斑部に円形の孔が形成される疾患であり,視力低下や変視などの視機能障害を惹起する。発症要因から大きく2つに分けられ,加齢による硝子体牽引によって引き起こされる特発性黄斑円孔(idiopathic macular hole)と鈍的外傷により生じる外傷性黄斑円孔(traumatic macular hole)がある。特発性黄斑円孔は全体の約9割を占め,特に65歳以上に多くみられる。有病率は40歳以上の成人で約0.1~0.8%,年齢調整罹患率は人口10万人あたり約7.8人,8.69眼とされる1)2)。患者の約3分の2が女性であり,基本的には片眼に発症する1)。高齢女性に多くみられる理由のひとつとして,エストロゲンとの関連が指摘されている。エストロゲンの低下は硝子体の液化を進行させ,男性と比較して後部硝子体剥離(PVD)の早期発症と高い発生率につながり,結果として黄斑円孔も高齢女性に多くみられると考えられている3)4)。また黄斑円孔は最大で約3割に両眼発症の報告があり,僚眼の注意深い観察も重要である5)。
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