綜説
網膜ジストロフィに対する遺伝子治療の進歩
西口 康二
1
1名古屋大学医学部眼科学教室
キーワード:
遺伝子治療
,
網膜ジストロフィ
Keyword:
遺伝子治療
,
網膜ジストロフィ
pp.647-652
発行日 2022年7月5日
Published Date 2022/7/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002697
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遺伝子治療技術の進歩により,これまで有効な治療法がなかった難治性遺伝性疾患に対する画期的な治療が次々と報告され,臨床試験を経て実用化が進んでいる。治療対象臓器や細胞も多様で,眼科領域でも多くの疾患をターゲットとした治療の開発が行われている。そのなかでも網膜ジストロフィに対する治療の開発は全科的にも最先端を走るが,その重要な原動力となったのがアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター技術の向上である。同ベクター技術の確立により,初めて網膜色素上皮細胞だけではなく網膜神経細胞に対しても安全かつ効果的に遺伝子導入が可能となり,他のベクターに対して圧倒的な優位性を持つに至った。
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