原著論文
白内障手術における異なる分散型粘弾性物質を用いた角膜内皮細胞の保護効果の比較検討
仲河 正樹
1,2
,
住岡 孝吉
2
,
髙田 幸尚
2
,
雑賀 司珠也
2
1仲河眼科医院(和歌山市)/済生会有田病院眼科(有田郡湯浅町)
2和歌山県立医科大学眼科学教室
キーワード:
粘弾性物質
,
白内障手術
,
角膜内皮保護作用
,
viscoelastic materials
,
cataract surgery
,
corneal endothelium protective effect
Keyword:
粘弾性物質
,
白内障手術
,
角膜内皮保護作用
,
viscoelastic materials
,
cataract surgery
,
corneal endothelium protective effect
pp.61-65
発行日 2022年1月5日
Published Date 2022/1/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002460
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目的
白内障手術で用いたビスコートⓇあるいはシェルガンⓇの角膜内皮保護効果を検討した。
対象と方法
白内障手術(超音波乳化吸引術)でビスコートⓇを使用した症例48 例(ビスコートⓇ群),シェルガンⓇを使用した症例50 例(シェルガンⓇ群)。年齢,性別,核硬度,超音波使用時間,使用エネルギー(CDE 値),白内障手術後1,3 か月の角膜内皮細胞数の減少率を後ろ向きに2 群間で比較検討した。
結果
2群間で年齢,性別,核硬度に有意差を認めなかった。手術後1,3 か月の角膜内皮細胞数の減少率はビスコートⓇ群で5.35%と5.53%,シェルガンⓇ群で5.37%と6.03%で有意差を認めなかった。超音波使用時間, CDE 値はビスコートⓇ群,シェルガンⓇ群で各々80.14±27.68 秒と11.95±5.65 対98.90±32.61 秒と15.6±6.95 でシェルガンⓇ群で有意に高かった。
結論
シェルガンⓇを使用した超音波乳化吸引術では超音波の使用時間とCDE 値は高値であったが,シェルガンⓇの角膜内皮保護作用はビスコートⓇと同等であった。
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