私の経験
プレスカット法のためのHorizontal chopの習得
松浦 一貴
1
,
山根 文也
2
1医療法人十字会 野島病院眼科(鳥取県)
2隠岐広域連合立隠岐病院眼科(島根県)
キーワード:
白内障手術
,
cataract surgery
,
核分割
,
nucleus division
,
プレスカット法
,
Press and Cut法
,
Stop and Press法
,
Stop and Chop法
Keyword:
白内障手術
,
cataract surgery
,
核分割
,
nucleus division
,
プレスカット法
,
Press and Cut法
,
Stop and Press法
,
Stop and Chop法
pp.555-563
発行日 2025年6月5日
Published Date 2025/6/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000004183
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白内障手術の際のチョップでの核分割はチップを閉塞吸引させることが前提となっている。しかし,比較的やわらかい核の閉塞保持は簡単ではなく,仮に分割できても前房内に閉塞して引き出せない場合がある。我々が提唱するプレスカット法はチョップ時に核の閉塞保持を必要としない。本報告では,プレスカット法に必須の手技であるHorizontal chopの習得法を紹介する。
眼科経験3年,手術症例100例未満の眼科医2名に摘出豚眼を用いたHorizontal chopのトレーニングを行った。フックを赤道部に運ぶ際に不慣れな術者は前嚢を引っかけるリスクがある。今回のトレーニングではフックを赤道部に刺入する際に連続円形切嚢(CCC)の下をくぐらせるフックの動きの習得を目的とした。
6時方向と9時方向の2方向で水晶体皮質表面をこするようにしてCCCの下にフックを滑り込ませる動作を習得する。水晶体の赤道部をイメージしたフック操作ができるようになれば,核の分割のみでなく水晶体の回転や分割された核の脱臼にも有効である。チョップによる核分割に閉塞吸引は必須ではなく,やわらかい核では閉塞吸引にこだわらずに,フックとチップで確実に核を挟み切ることが重要であり(プレスカット法),そのためにはHorizontal chopの習得が有用である。

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