Ⅶ 小児・神経眼科 ４ 視神経萎縮がみられた場合の鑑別と対処法

視神経萎縮は，さまざまな原因により，視神経線維の軸索の変性と機能消失をきたしたものである。眼底の視神経乳頭の色調変化が所見として現れ，網膜神経線維層の脱落を伴う。不可逆的な変化であり，視神経萎縮そのものに対する有効な治療法はない。一方，ある程度視機能が残存している場合，さらなる進行をきたし得るかの予後の判断のために，原因の鑑別が重要となってくる。視神経萎縮の原因は，視神経疾患・緑内障・網膜疾患のいずれの病態も可能性として起こり得る。一見，眼底所見のみでは原因の鑑別が困難なことも多いが，それぞれの原因疾患による特徴も存在する。本稿では，視神経萎縮を認めた際にその原因として鑑別すべき疾患や，それぞれの特徴について述べる。