特集 神経眼科とOCT
6 視交叉・視索病変によるOCTの変化
金森 章泰
1
1かなもり眼科クリニック(明石市)/神戸大学医学部附属病院眼科
キーワード:
光干渉断層計
,
視交叉
,
腫瘍
,
視索
,
圧迫性視神経症
,
視神経萎縮
Keyword:
光干渉断層計
,
視交叉
,
腫瘍
,
視索
,
圧迫性視神経症
,
視神経萎縮
pp.1465-1473
発行日 2018年11月5日
Published Date 2018/11/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000936
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視神経線維は視交叉部で交叉性線維と非交叉性線維に分かれる。交叉性視神経線維は鼻側半網膜に分布する網膜神経節細胞からの神経線維であり,非交叉性視神経線維は耳側半網膜からの線維である。その解剖学的走行によって,視交叉以降の病変では,視神経線維の逆行性変化により特徴的な所見が光干渉断層計(OCT)で検出される。視交叉部に発生する腫瘍には下垂体腺腫,髄膜腫,頭蓋咽頭腫などがあり,これらが正中より発生した場合,交叉性線維が障害され,耳側半盲を呈する。交叉性線維に対応する乳頭周囲網膜神経線維(circumpapillary retinal nerve fiber layer:cpRNFL)の消失を引き起こし,鼻側半網膜に分布する網膜神経節細胞に細胞死を起こす。検眼鏡的には視神経乳頭はband atrophy(帯状萎縮)となる(図1)。それに対し,非交叉性線維は耳側半網膜に分布する網膜神経節細胞の軸索からなるので,主に視神経乳頭の上下側の耳側寄りのcpRNFLが障害される。
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