臨床報告
パクリタキセル投与中に両眼性の嚢胞様黄斑浮腫を認めた2例
森田 修
1
,
坂西 良仁
1
,
海老原 伸行
1
1順天堂大学医学部附属浦安病院眼科
キーワード:
パクリタキセル
,
黄斑浮腫
,
眼合併症
,
副作用
,
光干渉断層計
,
フルオレセイン蛍光眼底造影検査
,
paclitaxel
,
macular edema
,
ocular complications
,
ocular side effect
,
optical coherence tomography
,
fluorescein angiography
Keyword:
パクリタキセル
,
黄斑浮腫
,
眼合併症
,
副作用
,
光干渉断層計
,
フルオレセイン蛍光眼底造影検査
,
paclitaxel
,
macular edema
,
ocular complications
,
ocular side effect
,
optical coherence tomography
,
fluorescein angiography
pp.631-637
発行日 2019年6月5日
Published Date 2019/6/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001211
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要約
目的
パクリタキセル投与中に両眼の嚢胞様黄斑浮腫を認めた2例を経験したので報告する。
症例
症例1は57歳女性で乳癌に対するパクリタキセル投与2か月後に両眼の視力低下を認めた。矯正視力は右0.7,左0.8で,光干渉断層計では嚢胞様黄斑浮腫を認めたが,フルオレセイン蛍光眼底造影検査では異常を認めなかった。パクリタキセル投与終了後に状態は改善したと予想されたが,その後に右眼は黄斑円孔をきたし,硝子体手術によって閉鎖が得られ,最終矯正視力は右0.7,左1.2であった。症例2は75歳男性で膵頭部癌に対するパクリタキセル投与2か月後より両眼の視力低下を自覚した。矯正視力は右0.4,左0.3で光干渉断層計では嚢胞様黄斑浮腫を認めた。パクリタキセル投与中止により1か月半で状態は改善し,矯正視力は右1.0,左0.7であった。
結論
パクリタキセルの副作用として黄斑浮腫をきたすことがある。
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