私の経験
緑内障チューブシャント手術後の眼内炎の1例
藤岡 俊平
1,2
,
結城 賢弥
1
,
内田 敦郎
1
,
尾関 直毅
3
,
坪田 一男
1
,
芝 大介
1
1慶應義塾大学医学部眼科学教室
2川崎市立川崎病院眼科(川崎市)
3独立行政法人国立病院機構埼玉病院眼科(和光市)
キーワード:
緑内障
,
バルベルト緑内障インプラント
,
眼内炎
,
glaucoma
,
Baerveldt glaucoma implant
,
endophthalmitis
Keyword:
緑内障
,
バルベルト緑内障インプラント
,
眼内炎
,
glaucoma
,
Baerveldt glaucoma implant
,
endophthalmitis
pp.205-208
発行日 2019年2月5日
Published Date 2019/2/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001054
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目 的:緑内障チューブシャント手術後に縫合糸感染が原因で眼内炎を引き起こしたと思われる症例を経験したので報告する。
症 例:76歳男性。左眼の血管新生緑内障に対して慶應義塾大学病院眼科(当科)でチューブシャント手術(バルベルト緑内障インプラント,BG 101-350)を施行された。術後眼圧経過は良好であった。1年11か月後に左眼の視力低下を主訴に当科を再度紹介受診した。
左眼所見:視力は光覚弁なし,眼圧は25mmHg,前房蓄膿および強い硝子体混濁を認め,緑内障術後眼内炎と診断し,硝子体手術を施行した。バルベルト緑内障インプラントを強膜に固定した縫合糸が結膜上に露出し大量の眼脂が付着していた。左眼術後視力は光覚弁あり,眼圧19mmHgであった。術7か月後に光覚弁を喪失した。
結 論:バルベルト緑内障インプラントの固定用縫合糸が露出した場合には,縫合糸から感染が眼内に波及する可能性があるため,露出への処置を考慮したほうが良い。
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