症例
消化管用ステントを用いた下大静脈ステント留置術が有効であった悪性下大静脈症候群の1例
小牧 稔幸
1
,
郷原 英夫
,
平木 隆夫
,
藤原 寛康
,
生口 俊浩
,
櫻井 淳
,
松井 裕輔
,
金澤 右
1岡山大学病院 放射線科
キーワード:
X線透視検査
,
肝内胆管
,
腫瘍侵入性
,
ステント
,
胆管癌
,
胆管腫瘍
,
致死的転帰
,
下大静脈閉塞症
,
腹部CT
Keyword:
Bile Duct Neoplasms
,
Bile Ducts, Intrahepatic
,
Fluoroscopy
,
Neoplasm Invasiveness
,
Stents
,
Cholangiocarcinoma
,
Fatal Outcome
pp.725-728
発行日 2017年5月10日
Published Date 2017/5/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2017260620
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57歳女。下肢腫瘍および歩行困難を主訴とした。切除不能な肝内胆管癌(cT3N0M0 stage III)の診断で化学療法を開始したが、18ヵ月後より下肢の腫脹と疼痛を自覚し、造影CTで胆管癌病変による下大静脈の高度狭窄を認めた。悪性下大静脈症候群の診断で放射線治療や薬物治療を行うも治療抵抗性であり、肝機能、心機能の評価も踏まえた上で、症状緩和を目的とした下大静脈ステント留置術の適応と判断した。消化管用ステントを用いて下大静脈ステント留置術を行ったところ、明らかな合併症を認めることなく下大静脈の狭窄と狭窄部の血流は改善し、側副路の描出減弱と静脈圧の圧較差減少が得られた。消化管用ステントはメッシュが細かく、屈曲に対して柔軟性があり、ステント移動は生じにくいと考えられた。本症例ではステント移動は認めず、良好な治療効果を得られた。
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