外科におけるcontroversy-誌上ディベート
肝門部領域癌の取り扱い 肝癌として扱うべきか胆管癌として扱うべきか 肝癌として
青木 琢
1
,
窪田 敬一
1獨協医科大学 第二外科
キーワード:
遺伝子マーカー
,
肝臓腫瘍
,
肝内胆管
,
腫瘍侵入性
,
鑑別診断
,
胆管癌
,
胆管腫瘍
,
肝外胆管
Keyword:
Bile Duct Neoplasms
,
Bile Ducts, Intrahepatic
,
Diagnosis, Differential
,
Genetic Markers
,
Liver Neoplasms
,
Neoplasm Invasiveness
,
Bile Ducts, Extrahepatic
,
Cholangiocarcinoma
pp.432-436
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017258592
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現行の胆道癌取扱い規約第6版と原発性肝癌取扱い規約第6版では,肝外・肝内胆管の境界の定義が異なるため,両者に重複がみられており,統計をとるうえで混乱を生じる可能性がある.胆管上皮の蛋白発現プロファイルやそこから生じる腫瘍の形質は,胆管の太さや分枝レベルにより規定されていることを示す報告が近年多くみられており,胆管癌の記載はできる限り原発の胆管枝を同定,記載し,そこからの進展形式を推定することが望ましい.実臨床として(狭義の)肝門部胆管癌肝実質浸潤例と,肝内胆管癌肝門浸潤例の予後が同等であるのか,あるいは差異があるのかは今後さらに検討していく必要があり,識別法の確立とその基準に基づく多数例の集積,検討が必要である.
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