症例
髄外性形質細胞腫および前立腺癌に同時照射を行った1例
伊藤 正之
1
,
伊藤 文隆
,
林 真也
,
深見 直彦
,
白木 良一
,
岡本 昌隆
,
外山 宏
,
小林 英敏
1藤田保健衛生大学 医学部放射線科
キーワード:
Androgen Antagonists
,
形質細胞腫
,
MRI
,
超音波診断
,
前立腺腫瘍
,
針生検
,
ホルモン性抗腫瘍剤
,
コンピュータ支援放射線治療計画
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
放射線化学療法
,
MAB療法
,
PET-CT検査
Keyword:
Androgen Antagonists
,
Positron Emission Tomography Computed Tomography
,
Biopsy, Needle
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Plasmacytoma
,
Radiotherapy Planning, Computer-Assisted
,
Prostatic Neoplasms
,
Ultrasonography
,
Antineoplastic Agents, Hormonal
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
Chemoradiotherapy
pp.589-594
発行日 2017年4月10日
Published Date 2017/4/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2017248434
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症例は71歳男性で、5年前に右咽頭髄外性形質細胞腫に対して放射線治療を施行した。その数ヵ月後に左鎖骨上窩リンパ節に再発病変を認め、同部に放射線治療を施行した。その後再発は認めず、無治療で経過観察していた。尿閉症状で受診し、PSAが高値であった。前立腺生検を施行し、病理診断で形質細胞腫を伴う前立腺癌と診断した。経直腸超音波検査では、前立腺体積は60mlと腫大していた。骨盤部単純MRIでは、前立腺背側に境界明瞭で拡散強調像で高信号を呈する腫瘤を認めた。PET/CTでは、前立腺が全体に腫大し、やや不均一な集積を認めた。前立腺針生検を施行し、HE染色では櫛状構造をとる異型腺管を認め、左側3本中2本で検出した。前立腺背側の腫瘤部分の生検はHE染色では核小体の出現した類円形核異形成細胞が増殖していた。CD138、λ鎖、κ鎖は陽性であった。前立腺癌及び髄外性形質細胞腫と診断し、CAB療法+放射線外照射を選択した。治療半年後のPET-CTでは前立腺は全体に縮小し、FDGの集積も低下した。治療9ヵ月後の血清PSA値も検出感度以下に低下し、現時点では髄外性形質細胞腫、前立腺癌ともに再発無く経過している。
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