投稿論文 短報
埋め込み型中心静脈ポートのカテーテル断裂により右室・肺動脈に迷入した離断カテーテルを全身麻酔下に経皮的血管内治療によって回収した1症例
前原 智
1
,
黒田 昌孝
,
坂本 崇
,
植野 正之
,
長谷川 義治
1足利赤十字病院 麻酔科
キーワード:
X線透視検査
,
異物移動
,
中心静脈カテーテル法
,
胸部X線診断
,
心室
,
心臓疾患
,
全身麻酔
,
肺動脈
,
機器機能不全
,
経食道心エコー図
,
血管内治療
,
胸部CT
Keyword:
Anesthesia, General
,
Fluoroscopy
,
Equipment Failure
,
Foreign-Body Migration
,
Echocardiography, Transesophageal
,
Heart Ventricles
,
Heart Diseases
,
Radiography, Thoracic
,
Pulmonary Artery
,
Catheterization, Central Venous
,
Endovascular Procedures
pp.77-80
発行日 2021年1月10日
Published Date 2021/1/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2021142729
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36歳女。4年前に卵巣癌の手術を受け、術後化学療法のため左鎖骨下静脈に埋め込み型CVポートを留置され、経過観察されていた。1ヵ月前に撮影されたCTで右室から肺動脈に離断カテーテルが認められた。肺塞栓や肺動脈損傷の危険性があるため、経皮的血管内治療による摘出術を全身麻酔下に行い、円滑に施行することができた。手術にあたっては、摘出困難時や緊急的な対応を要する術中合併症の発生に備え、迅速に開胸・人工心肺の確立ができるよう準備した。また、術中には経食道心エコーを施行し、次のような点で有用であった。1)右房・右室・肺動脈の描出。2)離断カテーテルの描出による位置確認。3)摘出部位へのガイドワイヤーおよびカテーテル挿入時のガイドの観察。4)離断カテーテル回収時の観察。5)循環動態評価。
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